<例: ひきこもり系大学生 Aクン(男)の場合>
part. 6
腐女子C【水茄】 「ちょっと手伝って下さいねー」
ピッピッピッピッ ピッ(送信)
『PRIDE』
HIGH and
MIGHTY COLOR
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※カラオケの画面
ヲタA【エミネム】 「えっ!?いっいや無理無理無理無理!ラップなんか無理ですよー!」
腐女子C【水茄】 「あっ始まった。はかなぁ〜く散った〜光がぁ〜」
ヲタA【エミネム】 (無駄に上手ぇ!)
腐女子C【水茄】 「消える〜あの〜場所から〜」
Rap(行くぞwake
up to go未知なる未来へ
さぁ迫る風に羽広げて
It's a二つと無い力生み出し飛び立つ
不安プラスPRIDE胸にfly)
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ヲタA【エミネム】 (ヤベ、ラップ来た!いや無理無理!歌詞が恥ずかしすぎ!無理無理!)
「いやーむっ無理ですー!」
腐女子C【水茄】 「・・・」
「It's
a二つと無い力生み出し飛び立つ不安プラスPRIDE胸にfly!」
ヲタA【エミネム】 (歌えるんじゃねーか)
チキってラップを歌えず、真っ赤な顔でうなだれるヲタAことエミネム。腐女子Cこと水茄は、そのまま曲を歌い続ける。隣には、エミネムが気になっている女の子、腐女子Aことざくろが。
ヲタA【エミネム】 (・・・ああー、俺ってしょっぱいなぁ・・・。引かれちゃったかな・・・。)
「いっいやー、いきなり歌えって言われても無理ですよ普通ー!この曲難しいしー。あははは」
必死に、ざくろに弁解するエミネム。
ヲタA【エミネム】 (・・・もう喋るな俺・・・。)
腐女子A【ざくろ】 「・・・あー・・・」
腐女子A【ざくろ】 「スッゴイその気持ちわかるー」
ヲタA【エミネム】 (えっ?)
腐女子A【ざくろ】 「私も前、サークルの友達とカラオケ行ったとき、なんかスゴイ恥ずかしい曲入れられて、歌えなかったの。」
ヲタA【エミネム】 「ま、マジですか!?俺もさっき・・・そうだったんです!」
腐女子A【ざくろ】 「うんわかるわかる!私の時は、なんか歌っていうか、ずっとネコミミがどうとか言ってるだけの、超恥ずかしい曲でー!」
ヲタA【エミネム】 (Neko
Mimi Modeか。)
ヲタA【エミネム】 「あー、あの曲は恥ずかしいですよねw」
腐女子A【ざくろ】 「えっ知ってるの!?有名なのあの曲!?」
ヲタA【エミネム】 「えっと、月詠っていうアニメのオープニングで、一時期ネットでもすごい話題になってて・・・」
ラップが歌えなかったエミネムだったが、ざくろと意気投合。水茄の熱唱は二人の耳には届いていない。アニメや同人、色んな話に花を咲かせる。
ヲタA【エミネム】 (そうか・・・ざくろちゃんも、俺と同じく、チキリ屋でナイーブで、緊張してたんだ・・・)
初めてわかった、腐女子Aことざくろの内面。
ヲタA【エミネム】 (俺今まで、人間なんか見た瞬間にどんなヤツかわかるぜ、って感じだったけど・・・。人間って、女の子って、わからないもんなんだな。)
腐女子A【ざくろ】 「なんか、エミネム君って私に似てるかもしれないw」
ヲタA【エミネム】 「あーそれ俺も思ってたw」
気づいたら、水茄の曲はもう終わっていた。
ヲタC【バラル・ラン】 「あっ次は拙者の番です。」
ヲタA【エミネム】 (あっ、他人の曲もちゃんと聴かないと失礼だな。バラル・ランさんは何を歌う人なんだろう・・・)
※カラオケの画面
ヲタA【エミネム】 (・・・何の曲?)
ヲタC【バラル・ラン】 「ジャッカー・・・ジャッカー・・・ジャッカー・・・」
腐女子B【シュン】 「あはははは!なんですかこの曲ぅ〜!」
腐女子C【水茄】 「うわ懐っ!」
往年の名作、「ジャッカー電撃隊」を熱唱するヲタCことバラル・ラン。部屋は爆笑の渦に。
腐女子B【シュン】 「あっ、次わたしですぅ〜」
※カラオケの画面
曲名が出た瞬間、ヲタAことエミネム、ヲタBこと電音、ヲタCことバラル・ラン、主催者の内田の男性オタ一同は「キタ━(゚∀゚)━!!」声を上げる。
腐女子B【シュン】 「小麦色の〜♪風に吹かれ〜めまいがしちゃいそぉ〜♪」
ヲタA【エミネム】 (メチャメチャうめえ)
「ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて」のOP曲、「恋のメディスン」を、抜群の歌唱力で歌い上げる腐女子B、シュン。
腐女子A【ざくろ】 「シュンちゃん上手ーい!あー次私だ・・・やだなぁ」
ヲタA【エミネム】 「ざくろちゃん、頑張れー」
腐女子A【ざくろ】 「ホント、あまり聞かないで下さいね」
※カラオケの画面
腐女子A【ざくろ】 「このごろ流行の女の子〜 おしりの小さな女の子〜」
決して上手いとは言えないが、音程は外さない。安定した歌い方だ。
ヲタA【エミネム】 (今、ああ見えて結構緊張してるんじゃねーかな。頑張れざくろちゃん。)
腐女子A【ざくろ】 「ハニー フラッシュ!」
ぱちぱちぱちぱち
腐女子C【水茄】 「えースゴイ可愛かったー」
腐女子B【シュン】 「ねー!歌いなれてますねー」
ヲタA【エミネム】 「緊張してました?」
腐女子A【ざくろ】 「・・・してましたw」
マイクを置く腐女子A、ざくろ。
ヲタB【電音】 「うわぁ、次歌いづらいなぁ;」
※カラオケの画面
ヲタA【エミネム】 (アニソンを入れろよ)
ヲタC【バラル・ラン】 (アニソンを入れろよ)
腐女子C【水茄】 (アニソンを入れろよ)
腐女子B【シュン】 (・・・何の曲だろう?)
腐女子A【ざくろ】 (月9だっけ?)
非アニソンを歌うヲタBこと電音。さっきとうってかわって、シンとなるオタク合コン一同。ヲタBこと電音の歌も、上手いとも言えず、下手とも言えない微妙なライン。全員、次の曲を入れるため、本に目を落とす。
主催者【内田】(ありゃ、空気読めてませんなぁw)
ヲタB【電音】 ピッ (後奏をカット)
「どうもでした〜」
ぱちぱちぱちぱち・・・
主催者【内田】「次は僕ですね〜」
※カラオケの画面
主催者【内田】「プリッキュアッ!プリッキュアッ!」
腐女子C【水茄】 「あはははは!キモーイ!」
腐女子B【シュン】 「ぷ〜りきゅあ♪ぷ〜りきゅっあ♪」
ヲタB【電音】 「プ〜リキュア プ〜リキュア」
腐女子A【ざくろ】 「プリティで〜 キュアキュア〜♪」
ヲタA【エミネム】 「ふ〜たりは〜」
全員 「プリキュア〜!」
再び盛り上がる、オタク合コン。その後、2時間にわたってオタクソングを中心に、おおいに盛り上がった。
プルルルルルルルルル・・・
主催者【内田】「・・・あっ了解です。出ます。じゃあ、もう時間なので出ましょう。」
ぞろぞろぞろぞろ・・・
会計を済ませ、新宿パセラの前に集まるオタク達。出会った頃の緊張がウソのように、オタクトークや、カラオケの話で盛り上がっている。
ヲタA【エミネム】 (いやぁ、本当に楽しかった。まだ帰りたくない位だ。)
主催者【内田】「皆さんお疲れ様でした!終電は大丈夫ですよね?」
腐女子C【水茄】 「あー楽しかったですー」
腐女子B【シュン】 「また皆で遊びたいですねぇー♪」
ヲタC【バラル・ラン】 「むぅ、まだジバンを歌ってなかったな」
ヲタB【電音】 「おつかれさまでしたー」
ヲタA【エミネム】 (やべ、もう解散ムードだ。まだざくろちゃんの番号を聞いてない。でも、俺こういうの初めてだから、『番号教えて』なんて言うの恥ずかしいな・・・。周りからガッツイた奴って思われたくないし・・・。でもざくろちゃん、さっきはノリが合ってる感じだったから、聞いても大丈夫かな・・・いや待て。あー、なんて俺は度胸がねーんだ・・・)
腐女子A【ざくろ】 「あのー、エミネムさん?
番号教えて下さいっ」
ヲタA【エミネム】 「・・・
・・・えっ、え!?あ、ああー、あっちょっと待って下さい 090・・・」
かちかちかちかち・・・
ヲタA【エミネム】 (どっくん どっくん どっくん どっくん)
腐女子A【ざくろ】 「あー、あとメアドもお願いします。」
ヲタA【エミネム】 「えっあっはっ、ハイ。k
a l e i d o ・・・」
かちかちかちかち・・・
腐女子A【ざくろ】 「どうもです〜。今メールしますね?」
ヲタA【エミネム】 「あっ、あ、ハイ。」
ヲタA【エミネム】 (どっくん どっくん どっくん どっくん)
「ぷ〜るるんぷるん ふぁみふぁみふぁ〜」<エミネムのメール着信音
5/9月23:45
from: zakuro-zakuzaku@domoco.co.jp
件名: お疲れ様でした〜
本文: 080-****-**** zakuro-zakuzaku@domoco.co.jp です^^ よろしくお願いします
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↑携帯の画面
腐女子A【ざくろ】 「行きましたか?」
ヲタA【エミネム】 「あっ、きき来ました」
腐女子A【ざくろ】 「また遊びましょう。メールして下さいね。」
ヲタA【エミネム】 「そ、そうですね。あっ、あ、遊びましょう!」
主催者【内田】「では、一本締めで締めたいと思います。よぉ〜っ!」
パンッ!
全員 「おつかれさまでしたー!」
ヲタA【エミネム】 (女の子って・・・
・・・女の子ってわからねえええっ!)
<エピローグ>
夜の新宿を、JR新宿駅の方角に向かって歩く、ヲタAことエミネム、腐女子Cこと水茄、そして、主催者の内田。
腐女子Aことざくろ、腐女子Bことシュン、ヲタBこと電音は丸の内線で、ヲタCことバラル・ランは西部新宿線で帰るとのことで、途中で分かれた。
エミネムは、今日の事を思い出していた。
オタクでひきこもりの同人野郎だった自分が、唯一興味を持った集まり「オタク合コン」。合コンというものが初めてだったため、まさかここまで自分が大胆になれるとは思ってもみなかった。
主催者【内田】「どうでしたか今日は?」
ヲタA【エミネム】 「ホント、楽しかったです。誘ってくださってありがとうございました。」
腐女・・・女の子と一緒にお酒を飲み、カラオケで楽しみ、携帯の番号とメアドをゲットした。さっきまでの時間は、今までの自分ではないようだった。
腐女子C【水茄】 「ねーホント楽しかったです。またみんなで飲みましょうね!」
主催者【内田】「んじゃ今度はアキバでやりましょうかw」
もちろん、大学のチャラい連中がするような、「スチュワーデスと合コンした」とか「お持ち帰りした」とか「その場でヤっちゃった」とかいうような、派手なものではない。
だけど。
臆病で弱気で、オタクというコンプレックスを抱えた自分が、人と会う事で、人と話す事で、ここまで楽しめたんだという、妙な充実感があった。もちろん、この集まりが「オタク合コン」だったからというのもあるんだが。
ヲタA【エミネム】 (でも、遊ぶったってどうやって誘えばいいんだよ・・・)
俺はそんな事を考えつつ、新宿駅に向かう人ごみでごったがえす、青梅街道の信号を渡った。
----終わり
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